プラチナエイジの晴釣雨学

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10th 追波川でサクラマスを追う(中)

皆さん、こんにちは。

早いものでこのブログを始めて10回目の投稿です。初回の投稿が11月17日ですから、今日でちょうど一か月になるんですね。その間にトータル647アクセスも頂きました。とても感慨深いものがあり、お読みいただいた皆さまに改めて御礼を申し上げます。

さて前回からサクラマス編をお届けしております

今年1月から追波川でチャレンジをスタートして、実は41回目の釣行で初めて釣れたんです。それはもう無理かと諦めかけたシーズン最終盤の4月30日のことでした。

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釣れた前日の29日のTwitterに私はこのような投稿をしておりました。

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情けないことに、これはまるで諦めの総括ですよね。本当に私のファーストシーズンは終了した、そう思っていました。

今回これを綴りますのは釣れなかった40回をしっかり振り返り記憶を記録と残すことが自分にとっても意味あるものと思っております。ですから今回の内容は、

①右も左もわからず始めて、極寒の中、通い続けて40回ホゲたんです。吹雪から鶯の声まで季節の変化の真ん中で、何を思ってロッドを振り続けたのか?

②そしてサクラマスを最初に見たのはお隣さんが釣ったものでその時の魚体を見た衝撃、これは忘れることが出来ないもので、それで一層、熱が入って・・・・・・。

③そしてここ追波川でもその後、師匠(そう言うと怒られますが)となる人で、私を仲間に入れて頂いた方々との出会い。

そのあたりをお届けできればと思っております。では書き進めて参りましょう。

1、40回連続ホゲ。激寒の中、私は何を思ってロッドを振り続けたのか?

令和5年度の釣りの目標をサクラマス、小座布団、マーゴン3本と設定しました。

無謀と言えば無謀ですが前回も書いた通り、私は目標を達成するための努力は徹底的にするタイプで、目標が高ければ高いほど努力します。カッコいい事、言いましたが本当のところサクラマスの一本の難易度を知らなかったんですね。

しかし目標として設定した以上はその達成に向けて本気に努力しました。徹底的に情報収集し、可能な限りフィールドに入り、考えられるありとあらゆる試行錯誤をしました。そこは自分でも評価できるポイントです。ツイッターで「またホゲた」「連続何回ホゲた」と、つぶやく度に多くの方から励ましのコメントを頂きました。恥ずかしながらその声に励まされました。

1月20日に解禁して2月に入りますと寒さがもう一段厳しくなります。雪交じりの北風が頬を直撃し、あっという間に対岸が見えなくなります。

PEが凍みるとリールが凍ってハンドルが回らなくなります。マイナス6度の世界です。手の指がもげそうに痛く、足の指の感覚も無くなります。

雪をかき分けてフィールドに入ります

「あぁ、なんて世界に足を踏み入れてしまったんだよぉ」もう泣きそうになりました。クルマに戻って暖気、浴びよう。そんな誘惑に負けたこと、負けそうになることなんか毎回ですから。そんな時は後述しますがこのフィールドで出会った面倒見の良い師匠とその仲間達の「この釣りは修行です」「この釣りは過酷ですが諦めたらそこで終わりです」という言葉が背中を押すんですね。



寒さと痛さをこらえて頑張った過酷な2月も私の所にサクラマスは来ませんでした。

ここ宮城では暑さ寒さも彼岸までと言われて、春彼岸(3/18~24)になると三寒四温を経ながらですが、一気に寒さが緩み新芽が一斉に出てきます。空高く飛ぶ北帰行の白鳥の声から、河原に聞こえる鶯のホーホケキョへと季節が進みます。長かった冬が終わり、待ちに待った春の到来です。私の釣りも春が来て欲しい!

3月も終盤になりますと、顔見知りになったアングラーさんとこんな会話からスタートします。

私(H)「お疲れ様です!今年は何本上がりましたか?」A「お恥ずかしい、まだサクラマスの顔をみてないんですよ。」H「そうですか、私もです。もう今日で30回目ですよ。」A「30回ならまだ良いほうですよ。私なんか去年から45回連続ホゲてます(笑)」

えぇぇッ!聞いた話ですが最初の一本に5年かかった、という人がいました。いやぁ、エライ世界に足を踏み入れてしまった!本気でそう思っていました。

しかしその一方でこの世にはスゴイ人がいるもんですね。

サーフの知り合いですなふさんという人がいるんです。千葉の野田からジムニーに乗って宮城のエリアに通うアングラーさんです。彼も今年からサクラマスデビューらしく、例によって何時間もかけて追波川までやって来るわけです。

彼はサーフで公認のメロンアンバサダーなのでメロン色のルアーしか投げない有名人なんです。その彼は初回でしかもサーフ用のルアーでサクラマスを仕留めたのです!それには驚愕しました。

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釣れる人は釣れるんだな、そう思ったものです。3月4日のことでした。この一本は私にとっても大きな一本でした。「俺だって!」そう気持ちが昂りましたしモチベーションがキープ出来ました。

すなふさんは今シーズン、サーフで88㎝の大座布団ヒラメを釣り上げてます。私とは比較にならない位、釣りの名手だったんですね。

 

2、初めてサクラマスを見た衝撃

私はこの日も忘れることが出来ません。この日のTwitterにこんな投稿をしています。

2月6日の私のつぶやきです。

精悍な顔つき、それはそうでしょう。どこを泳いで来たと思ってるんですか!この河を出て、北の海へと渡り、厳しい環境を何度も潜り抜けて産れた川に戻ってきたんですから。そこに費やした月日は顔を変えるんですね。強く凛々しく、自信に満ちた美しい顔でした。

アクアマリン・セルリアンブルーの美しさサクラマスならではの見事な色彩です。しかも銀色の特別な輝きを併せ持つ神秘的なカラーでした。私は油絵を描いていた時期がありますがこの色を出す自信はありません。

この魚を見たら、私も絶対に釣り上げたい!そう思ってしまいます。寒さが最も厳しい2月上旬にこの魚を見て頑張れたのだと思います。

見事釣り上げた方は遠方からの方で、毎年このフィールドに来られているそうです。そして日本全国トラウトを追っているそうです。実に見事な立ち振る舞いで、ネイチャーアングラーの品を感じました。その彼とはTwitterで今でもつながっており、サクラマスが結び付けてくれた縁を感じております。

余談ですがこの日に釣具店に直行して、サクラマス専用ロッドを買っているんですね。釣れないと道具のせいにする悪い癖が出ています(笑)

その後、いっちょ前にスプーン用とミノー用の二刀流になるんですよ。1年目に大した出費ではないなどと思ってスタートしましたが大変な痛手でした(笑)

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3、このフィールドで友と出会う

日記を振り返ってみますに、ここの達人に初めてご挨拶させて頂いたのは2月11日のことでした。

「ヘミンさん!はじめまして!」と気さくにお声をかけて頂きました。追波川初心者で何回もホゲているのでどんな人かなって、思っていたんですって。少し会話すればびっくり!なんと昭和33年産れの同級生だったんですね。ミナトさんです。ミナトさんが隊長のサクラマスグループがありいつも何人かでワイワイ楽しく集っているんです。私はいつもピンですから羨ましく見ていたものです。初心者の私に最もアドバイスと励ましを頂いた方はウッシーさんです。聞けばミナトさんの職場の同僚とか。このお二人が中心となってまとめるこのグループは全てにおいて阿吽の呼吸でさすがのチームワークでした。

私も行くたびにお声がけ頂き、またアドバイスも頂き、忘れられないのが激寒の中に頂いた一杯のコーヒーでした。そして週末ともなれば多くのアングラーさんがこの場所に集中しますから暗いうちから場所をキープするんです。この釣りのルールは日の出から日の入りで、場所取りも現地で待機なんです。クルマでの待機はアウトですから、本当に明るくなる前から河原で暖を取りながら朝を待つのです。その貴重な場所を「ほらヘミンさん、ここに入ってやらいん!」と釣らせてくれるんです。私はお恥ずかしいながら、最初、そういう過酷な時間を経てこの場所をキープしたことさえ予想もできずにいたものです。

達人達のお持ちの情報はすごかったです。毎朝、このフィールドに入ってそれから出勤、これが日課とおっしゃってました。日々の河の変化や魚の変化が完全にインプットされていますし、どこで何本釣れたという実績をリアルタイムで把握してました。サーフで釣りは情報が命、と肝に銘じておりましたが河でも全く同じでした。

達人たちのグループは国道側の上流をメインにしています。水門というか堰があります。これも教えて頂いたのですがこの堰の開閉がサクラマス釣りには極めて重要とのことでした。上流で水嵩が増せば門は開きます。そうすると下流は水量が増し海へと流れ込み、その流れに反応して遡上する魚が増え、門が閉まった翌日、翌々日が激熱とのことです。事実。爆釣の日がありました。大袈裟ではなく3人に1人は釣れていましたし、ひとりで2匹という強者もいました。その日も私には来ませんでした( ノД`)シクシク…。

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達人たちのグループはtrapトラップと言います。仲間入りをお認め頂き、ついに私もトラップメンバーになりました。

私の良きアドバイザーのウッシーとの感動の実話を披露します

私のファーストフィッシュは4月30日でした。その日は日曜日でトラップの仲間のほとんどはサクラマスを終えていました。残ったメンバーは今期まだ一本も上げてない悔しさMAXの居残り組の数人です。私はこの前日の29日に総括をした状況でこの4月末日でサクラマス終了と決めていたのです。

それはGWに入れば田んぼ仕事が始まり、田植えの前に代掻きという作業があります。それが始まれば河の水がカフェオレ色になりルアー釣りは不適となってしまうのです。

私のことを気にかけてくれて常にアドバイスを送ってくれたウッシーは既に一本釣り上げており、その日は別の用事で陸に上がっておりました。

私は念願の一本を釣り上げた時に真っ先に連絡したのは、当然ウッシーでした。電話での彼は本当に自分の事のように喜んでくれてなんと「どこにいるのっしゃ?すぐ行くから」って言うのです。暫くして彼が缶コーヒー二本持って現れ、抱き合い、コーヒーで乾杯!をしたのでした。そして記念だからと写真を沢山撮ってくれたんです。これがその写真です。

私は女川の男は本当に熱い!熱すぎるくらい熱い!ありがたい!本当に大感謝!と思ったものでした。ウッシーが駆けつけてくれて抱擁の時に涙が頬を伝ったことは昨日のことのように思い出されます。

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余談ですがトラップメンバーは勢ぞろいでシーズン終了後、お疲れさん会をミナト隊長の御自宅で盛大に開催します。私は初参加で呑み、喰い、語らい、そして早々に酔いつぶれてしまったのでした(笑)楽しいイベントでした。

こうして出来た仲間との絆は私の大きな財産であります。この仲間達と間もなく始まる新しいシーズンも思いっきり遊び倒したいと決意しておりますし、今後はして頂くばかりでなく多少の恩返しもと思っております。トラップの皆さん、引き続きよろしくお願い致します。

10回目の最後に

今回はこの辺りで終了とさせて頂きます。長文にお付き合い頂き、深謝!

次回はサクラマス最終回「サクラマスとの出会い、感動の一本」をより詳しくお届けさせて頂きます。

白鳥の北帰行から、河原の鶯へと変わります。春到来です。